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手のデッサン

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デザイン科の鉛筆デッサンの出題で一番多いのが「手」です。
その関係で、デザイン科は手のデッサンをすることが多くなります。
デッサンで手を出題する理由とは何でしょうか?
それは、人の使うモノのほとんどが、手を介して使用するようデザインされているからにほかなりません。日常生活を見直せば自明なのですが、なにをするにしろ、手を用いるものです。つまり多くのデザインは「手で使うこと」を前提としています。そのため、手を理解しておくことは、さまざまなデザインの基準を知ることにつながります。
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「何かを持った状態の手を描け」そういう問題が多いのも、手がどのように機能するかを理解していて欲しいからです。
直立二足歩行を始めたときから、自由になった手を用いることで、人間は「進化」しはじめました。手によって道具を作り、火をおこしてきたのです。手によって獲得した進化への鍵。それはいまも変わりなく、人間の持つもっとも基本的なツールなのであり、それなくしては生活すら危ぶまれるような、生きることと密接に結びついた器官なのです。
手をデッサンすることで、そのような事柄を思い起こしてほしいとおもいます。そして、手を使って描くこと自体の中に、人間が物事を考え、イマジネーションを飛躍させる契機が潜んでいることを理解して欲しいものです。


by seibi-seibi | 2019-06-12 15:18 | 芸大 美大受験


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