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変化していく、美大受験。

セイビでは、美大受験を40年近く行ってきています。
そのあいだにはさまざまな変化がありました。
1990年代までは、受験生増大に伴って、一次試験が設けられていました。
これがなんと、学科試験のみ。
倍率は数倍はあって、この一時にすべってしまうと、実技試験に進めませんでした。
一年間、夢中でがんばってきて、学科試験で落とされて辛酸を舐めた受験生のおおかったこと。
後悔してももうどうしよもないまま、浪人するという生徒もいました。

2000年代に入って、少子化による現象と並行して一次試験は廃止となり、
倍率も半分以下になりました。
いまでは、学科試験がAB日程。二回受けられるのです。
おまけにセンター振り替え入試もある。
受験は容易となり、入りやすくなった分、生徒たちにとってはありがたいことでした。

その上最近は、AO入試が増大。
一般入試を受けることなく、ポートフォリオと面接で、合格していきます。
各々の個性を発掘して、それで勝負できるという点においては、大きな利点でもあり、歓迎すべきなのでしょう。
画一化して硬直しがちな「美大入試」を柔軟に変化させるという意味においては、よいことです。

しかしながら、AOは一般入試よりも楽なのではないか、と考える受験生がいるのも事実です。
しかし、決してそうではありません。
受験の選考の仕方、判断基準が、一般入試とは異なっているというだけで、大変なのは事実です。

AOのばあい、まず第一に、各々がきちんとした主体性と思考能力を処理能力を持っているかが問われます。
なんとなくまとめたポートフォリオからは、熱意や主体性が読み取れず、ただ、作ってみただけになってしまうのです。
AOで問われるのは、はっきりとした目標が見定められているのかです。
自分の目標が見えているか、と言い換えてもいい。
これは現役の高校生にとっては、案外難題です。
またそれを、人に伝えられるようにまとめられるか。
はっきりとプレゼンテーションで言い切れるのか。

これからはそれでもAOが主流となって来るでしょう。
となると、高校時代のかなり初期から、何がしたいとか、どんなふうなことを大学でやってみたいのか、
現実的で具体的な目標・目的を見出せるよう、日々探求していかなければならないと想います。

受験は変化し続けます。
その変化の波が、受験生にとっても、大学にとっても、本当に実りのあるものになることが大切と想います。



by seibi-seibi | 2017-10-14 14:41


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