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浦沢直樹展で

最近は、「アニメ・ゲーム・マンガ」この三つのメディアが、巷間を席巻し、隆盛を極めています。
そのどれもが、決して、現代に特有な現象ではないことは、浮世絵や双六などのボードケームを想起してみれば一目瞭然でしょう。ゲームもマンガも、人の歴史のなかで、つねに存在してきたのです。そんな普遍的なメディアにおいて、とくにマンガを牽引している、「浦沢直樹展 描いて、描いて、描きまくる」が世田谷文学館にて開催中です。
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『パイナップルARMY』『YAWARA!』『MASTERキートン』『Happy!』『MONSTER』『20世紀少年』『PLUTO』『BILLY BAT』
スポーツマンガから、政治背景を題材にしたもの、あるいは、SF的であったりする、浦沢作品は、作品全体の完成度の高さから言っても、現代を代表するマンガであるといえましょう。この展示では、原画とネーム、アイデアノートなど、作家の全体像が垣間見えます。
とくに興味深いのはネームや幼少期の雑記帳の類でした。
とにかく小さいときから、描くのが好きで、何か見たら描いてしまわずにいられない、そういう浦沢少年の横顔が見えてくるようです。戦車や車など、少年が興味を持つモチーフを、ただ一生懸命描き移したスケッチ。鉛筆だけを手に、まわりの世界を描き続けていく、好奇心と探究心。これこそが、描くことのもっとも根底にある衝動となるのだと、展示品は教えてくれます。
マンガ家として、完成した原画の、繊細な絵もまた、人を捕らえて話さない魅力がありますが、その背景には、とにかく見たものは書き留めてしまう、ゆたかな貪欲さが隠されているのでしょう。
「マンガ家は、大変で、べつにオイシイ仕事じゃありませんよ」と、某マンガ家さんに言われたことがありますが、描き続けることは、思いついたことを形にする、とても面倒で地道な作業の積み重ねなのでしょう。
これからマンガ家になりたいと考えている人にも、絵が好きなひとにも、ぜひ見てもらいたい展示なのでした。
by seibi-seibi | 2016-03-19 12:45 | 人と絵と、イメージ | Comments(0)


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