冬至とクリスマス

 昨日はキリストの絵についてでした。
 今日はクリスマスについて。

 12/25がクリスマスですが、その前に冬至が到来します。今年は12/22。明日です。冬至は一年で一番日が短くなる日です。(厳密には一致しませんが)日本では柚子湯に入ったりして、からだを温め、無病息災を願う日ですね。この冬至とクリスマスは実は同じ起源に由来していると言ったら、意外に感じられるでしょうか。というのも、四福音書にはキリストの誕生日の記述も(前回同様)ないのです。ではどうして12/25がクリスマスとなったのでしょうか。これはとても面白い話なのです。
 古来から冬至は知られていました。イギリスのストーンヘンジとか、ペルーのナスカの地上絵などにも冬至や夏至を観測した痕跡が残されています。古代において、太陽の運行を知ることは何よりも大切でした。というのは、農作物の種まきや収穫時期を正確に把握したかったからなのです。食糧の安定確保に必要な知識として、太陽の動きと、季節の移り変わりを知る。古代人にとってそれは命をつなぐ、「大切な情報」だったのです。
 一番陽が短くなる冬至。天文学の知識を持たない古代においては、「一番太陽が弱くなる日」と捉えていたようです。もしこのまま弱くなって春が巡ってこなかったら、人々は飢饉にあえぐこととなります。そこで思いついたのが、冬至祭です。冬至の時期に火祭りを行うのです。赤々と燃え立つ火は、むろん、太陽の象徴なのです。この祭りで太陽をあがめ元気づけ、また太陽が暖かさを運んでくれるよう祈るわけです。日本では小正月に行う「どんと焼き」などがそれにあたりますし、現在のフランスやドイツでも同様の火祭りが挙行されています。
 さて、キリスト教が広まる以前のローマ帝国でも、この冬至の祭りは行われていました。ディニッソス祭として知られていた冬至祭は、キリスト教時代となってからも、続けられていました。キリスト教会にとって異教の祭りを容認するわけもなく、何度か中止させようとしたようです。しかし根強い土着の信仰・行事を留められず、のちにこの冬至祭が、キリストの降誕祭、クリスマスになっていったといいます。

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            サンタクロースのモデルとなった、聖ニコラウス

 クリスマスでは、もみの樹のツリーを飾ります。もみの樹は常緑樹で、冬でも青々とした葉をつけている樹です。ここには力強さ=永遠の豊かさ=豊穣のイメージが与えられています。そしてリボンや飾りにしばしば用いられるのは赤いものです。赤は太陽とその暖かさ、そしてなによりも甦りのイメージが付け加わっています。この赤と緑、クリスマスのテーマカラーのようになっていますが、色彩学でかんがえると、「補色」関係になります。小学校で習う「反対色」。補色は強い対比を生む配色関係です。色彩学的な関係、つまり美的観点が優先したのか、はたまた色彩の持つイメージが先立ったのか分かりませんが、結果として色彩学的にも調和し、イメージも伝わる配色となっています。色から考えても調和するうえに、自然の秩序にも連関するイメージを持つ、赤と緑。クリスマスツリーを見たら、ぜひ、この調和のハーモニーのことを思い起こしてください。クリスマスがいっそう楽しめますよ
by seibi-seibi | 2010-12-21 12:23 | 人と絵と、イメージ | Comments(0)


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