均衡と緊張・フラーの多面体。

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 前回のフラーの創造した、フラードームの原理を用いた、ちょっと面白い玩具を紹介しましょう。
TENSEGRITOYと名づけられた、組み立てて多面体の構造物を作り上げる玩具です。多面体を組み立てるだけならば、展開図さえあればこと足りるのですが、これはちょっと違います。TENS=TENTIONのこと。つまりテンション。テンションとは緊張のこと。よく見ると各棒は、それについたゴムひも同士の引っ張り合いによって接合されているのです。すべての棒同士は接しておらず、ひとつひとつ空中に浮かんでいるのです。しかし、多面体が作り出す力学的な均衡が、すべての棒に働いているので、押しても引いても容易に壊れません、かかった力は、互いに打ち消しあい分散され、全体で吸収するようになっています。この軽くて、無接触な多面体はおそらく、かなりの圧力にも耐えられるはずです。このような原理を応用したものが、キャンプ用品のテントや、東京ドーム(古くは富士山頂上の気象観測所)のようなドーム状建築に生かされているのです。
 この玩具は、棒の本数を変えることで、さまざまな多面体を作り出せます。フラーは、幾何学的な秩序が持つ強さと、それが織り成す多面体に着目して、新たなデザインを考えた人物です。それはバウハウスのデザインとは異なったところから発生し、独自の方向を見いだしたようです。アイディアとは、そういった異なった視点から物事を再検討・再構築しなおし、新たな可能性の水脈をみいだす、そういった思考のことなのです。
by seibi-seibi | 2010-11-22 13:02 | デザインするって? | Comments(0)


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