マンデルブロ集合

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 デザインのアイディアを探すことの困難について、ウィリアム・モリスを引き合いに出しながら書きましたが、今回はその続きです。平面構成を製作していて、常につきまとうのは配色の問題。どんな色彩をつかうのか。実際に絵の具を手にしてみると、なかなか決まらない。なにせ配色は無限にあるのです。そのなかから美しい配色を見つけだすのは容易ではありません。モチーフ構成やベンカなど、やることが限られていればおのずと配色も限定されますが、テキスタイルなどになると大変かもしれません。
 配色・色の選択を行うとき、やはり何かイメージがわくような資料があると良いでしょう。普段から色彩に敏感になって、アンテナを尖らしていることは当然ですが、何か資料があるとたすけになります。一般的に言って写真集などの図像媒体をあつめておくのが基本になるでしょう。自分の資料ですから、自分がピンときたものを蒐集していく。とくに好きな色彩やカタチにはこだわりを持って探し続けることです。
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 今回そんな資料集めのことで思い出したのが、マンデルブロ集合です。フラクタル理論の視覚的証明として、しばしば引用される「マンデルブロ」。自然界に生きている生物や現象の多くには、同じ形の繰り返しが続くものが多い。たとえば樹木。芽が出て葉が生まれたときの最初のかたちやつきかたが、その後大きくなってからも、延々と繰り返される。その規則は複雑になっても変わらなく、つねに似ている。「自己相似形」と呼ばれているこの現象は、川の流れや波のカタチなど、さまざまなものに共通しています。このような現象を数学的に説明していく中で生まれてきたのが、「マンデルブロ集合」です。集合ですから、そのカタチはひとつの連鎖となって閉じているのですが、どこまで拡大しても無限に似たような形が立ち現れつづける、という特徴をもっています。数学的な証明は難しく、素人には分からないのですが、このプログラム、グラフィック的に見てとっても美しい。その色彩も面白いものばかりです。
 自然界で日々起こっている現象を、数学的な演算により視覚化できること自体が、すでに驚きですが、それを基にしたプログラムが美しいことに、さらに驚嘆します。コンピュータの回路の中で生み出される「自然の美」。こんなものもデザインには示唆と、豊かなイメージを与えてくれるかもしれません。
by seibi-seibi | 2010-10-19 18:30 | Comments(0)


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