デザインの潮流 バウハウスとその周辺から3

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バウハウスが目指したデザインがわれわれの生活自体をディレクションした、と前回書きました。これはどういうことなのでしょう。
バウハウスが活動していた当時、バウハウスから発信した、合理的なコンセプトに貫かれたデザインは、まったく新しい、「未来的」なものとして見えたと思います。とくに建築を中心にすえて考えていたバウハウスが作り出す、新しい感覚の建築物には、バウハウスのデザインコンセプトがあふれていました。装飾を排したシンプルで使いやすい住空間。それは、鉄筋による建築などを背景に設計されていったのですが、そこに住む人もまた、合理的にデザインされた住空間の使い方を会得しなくてはなりません。当然住まう側の意識も変革していくことになります。新しいデザインを使うということは、自分も影響されるわけです。生活スタイルをデザインしていく。使う人と社会を変えていくのも、デザインのもつ機能の一つなのです。
合理的でシンプルなデザインは、現代においてはもう、まったく隅々まで拡がっています。わたしたちは、そういったデザインの上で、違和感も不都合もなく、日々暮らしています。1920年代にバウハウスから始まった運動は、その後の文化の発展に、さまざまなかたちで寄与し続けています。また同時に、その発展の方向を規定してきたのかもしれません。21世紀になったいま、わたしたちのまわりには、おびただしいグラフィックやプロダクトがあふれています。そのどれも機能的に考えられています。一次的なデザインとしては、すでに問題ないレヴェルまで到達しており、改良や作り直しを迫られるような、「不足」がないのです。
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そこで、「リ・デザイン」という発想が生まれてくるのでしょう。いったんデザインされ完成したものを、もう一度デザインしなおしてみる。まったく新しいデザインではないが、細かな改良点や、着眼点を見いだせるかもしれない。「リ・デザイン」という考え方には、そういった発想があるのでしょう。あるいは道具の二次的な使用法を考えてみるのも、同一の地平に立っているのでしょう。その考え方のかなたに、バウハウスから続くデザインを変えていく力があるのだろうと思います。
by seibi-seibi | 2010-09-21 18:32 | デザインするって? | Comments(0)


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