フリッツ・ラングとサンダーバード 

f0234596_17543063.jpgf0234596_1754539.jpg昨日東京は38度を越える酷暑になりました。セイビでも、外に温度計吊るして実際に測っていました。と、2時には38.5度。これはもう、温泉です。今日は、この暑い東京を離れて、『空想科学』映画の話でも書きましょうか。
映画というメディアが誕生して105年が経っている今日、もう映画はその位置を揺るぎないものとしています。『アバター』で本格的な実用化が始まった3Dも加わり、映画の可能性はこれからも広がっていくだろうと思います。さて、皆さんが映画を観るとき、その作品の背景に、映画100年の歴史が隠れていることを考えたことがありますか?どんな作品でもそれ以前に作られた作品の技法や手法の上に成り立っていますから、映画作品の多くには、影響を受けた先行する作品があるものです。ここではその例をいくつか挙げてみます。
『スターウォーズ』のロボットC3POを覚えていますか。全身金属の、少し臆病なロボット。この作品の重要なキャラクターですね。つぎに、むかしテレビで放映していた『サンダーバード』のなかのサンダーバード1号。これを観てわかる人は40代くらいかもしれませんが・・・。さて、このふたつとも、それぞれにもとなった作品があります。その作品の監督の名は、フリッツ・ラング(1890-1976)。ドイツの監督です。フリッツ・ラングと聞いてすぐに作品が浮かぶ人は、かなりの映画通でしょう。ラングは、サイレント映画時代に華々しく活躍した監督。彼が撮った作品の多くは、現在のSFとかホラーとかの原型になっています。たとえば『メトロポリス』(1927年)。サイレント映画時代の最高傑作のひとつとなったこの作品は、未来の管理社会や、アンドロイドの誕生を描いた、先駆的な作品なのです。この『メトロポリス』の最大の見せ場は、アンドロイドの誕生のシーン。天才的な発明家により、妖しく蠱惑的で美しい女性アンドロイドが作り出されるのです。映画史に残る、このアンドロイドにインスパイアされて造形されたのが、のちのC3POなのです。
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また、『サンダーバード』で、印象的な一号が発射するシーン。プールの下に隠されている発射台から飛び立つとき、プールが動き、発射台が姿を現します。この一連のシーンは、どうやらラングの『月世界の女』(1928年)の月ロケットの発射シーンを参考としているのではないかと思います。『月世界の女』は、当時考えられる月旅行を、かなり科学的に描いていて、今見ても驚かされる映画です。地球から月の周回軌道にのる仕組みとか、地球重力圏を突破する様子とか、よく描けたなあと驚嘆させられるシーンも多い。これがサイレント映画なのかと、疑いたくなる完成度です。
フリッツ・ラング監督の作品は、最近になって入手しやすくなりましたし、レストアもなされていますから、機会があればぜひ見てください。そして、こんな古典の中に、現代へと通じるアィディアがあらわれていることを確認してみてはいかがでしょうか。
by seibi-seibi | 2010-08-18 16:34 | Comments(0)


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