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小野二郎と平野甲賀

現在、世田谷美術館で開催中の企画展「ある編集者のユートピア」小野二郎 晶文社 ウィリアム・モリス 高山建築学校を見てきました。晶文社の設立に尽力し、編集者としてだけではなく、ウィリアム・モリスの研究者でもあった小野二郎をめぐる展示です。晶文社というと「植草甚一スクラップブック」「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」「ヘミングウェイ キューバの日々」といった書物が、書影とともに思い出されます。晶文社の書物は、そのジャンルの多様さと面白さと共に、なにか人をひきつける魅力を放っています。書影に惹かれて何気なく手にとって見ると、そのおおくが晶文社の書物であるといった体験を何度したか知れません。それは当然個性的なデザインによるところがおおいわけですが、それだけでは説明できない「なにか」を感じさせる書肆。それが晶文社の書物にはあります。今回の展示では、それらの魅力的な書物を編集・出版してきた小野二郎に焦点が当てられています。
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1960年に設立した晶文社は、出版業界を少なからず揺るがし、サブカル的な分野をも取り込み、ジャズ・映画から純文学を縦断して、それまでの「ジャンル」を突き崩していったといえます。ブーレーズとチャーリー・パーカーとローリング・ストーンズを縦断していく晶文社の出版物には、垣根などなかったといえます。いや、垣根はわたしの心のうちにこそあったのでしょう。読者を挑発してくるようなその姿勢と共に、手に取ると読んでみたくなる書物。自分の興味のない分野の書物でも、晶文社の本であるからには読まなくてはならぬ、そういう気分にさせられたものです。そしていつのまにか、見えない壁を破って、境界を越え、遠くまで旅する契機をつくりだしてくれたのが晶文社であったのです。
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展示物の多くは、晶文社の書影で占められており、改めてその夥しい書物を前にしてみると、私の書棚を占有している書籍のなんと多いことか・・・。べつに晶文社を選択して購入した覚えはないのに、なぜか晶文社の書物が多いのです。それはきっと、時代を反映した編集方針が琴線に触れたのかもしれません。そしてまた、そのブックデザインのほとんどが、平野甲賀氏の手になるものだったことも、今回の発見でした。
平野甲賀氏のデザインといえば。平野グロテスクと呼称されるている特徴的なフォントによるものばかりを想像しますが、晶文社のブックデザインを一気に引き受けていたわけですから、それ以外の書物についてもデザインしています。ウィリアム・モリスに傾倒して、その研究に生涯を賭けていた小野二郎氏と平野甲賀氏。この二人の出会いと共働は、やはりその源泉を、ウィリアム・モリスに求められるようにおもえます。
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小野二郎氏はかって、ウィリアム・モリスについて論じたなかで
「15世紀の書物について言えば、それらの多くが惜しげもなく飾られている、あの付け足しの装飾がなくても、単にタイポグラフィの力だけで常に美しいものであったことを、わたしは認めてきた。そこで、活字を印刷し配列したものとしてみたとき、一つの喜びになるような書物を作り出すことが私の企ての要諦となった」
という、モリスの言葉を引用しながら、活字の美しさと配列、行間や字間の間取りの問題こそが、モリスの書物デザインの基本だと述べ、そこを出発点として、ケルムコットプレスの書物について述べています。
書物が「読まれる」ためのツールである以上、読みやすさこそがその第一にある。カバーや口絵といった現代のブックデザインが意味する内容とは異なったモリスの考え方、それは一見、装飾への軽視であるようにも感じられますが、「チョーサー著作集」の凝った挿絵や飾り文字を持ち出すまでもなく、モリスはトータルでの書物のデザインを考えていました。中世の著作から蒐集した字体を参考に、モリスは三つの書体(フォント)を考案します。「黄金伝説」で使用したゴールデンタイプ=ローマン体(1890年)、「トロイ物語集成用」用のトロイタイプ=ゴシック体、「チョーサー著作集」用のチョーサータイプ=ゴシック体(1893年)の三種類。この三種類のフォントは、使用する書物のが中世ならゴシック、近代ならローマンというふうに使い分けられました。書物の成立年代に見合ったフォントを考案し、読みやすさと共に格調も表現しようとしたのでしょう。
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文字の並びと余白。字詰めや行間にデザインの基礎を置く思考は、現代のグラフィックデザインにも通底する、普遍的なデザイン思考でしょう。モリスが単なる懐古趣味で中世やローマ時代の書体を渉猟したのではなく、すぐれて現代的な捉え方で、書体を抽出していたわけです。モリスのフォントが後のフォントに与えた影響は大きく、そして20世紀の到来とともに、読みやすくて合理的なフォントへと展開していったのも、時代の要請から、当然の成り行きでした。
「サンセリフ」といった、現代もっとも馴染み深いフォントも、そういう合理性の申し子といえます。文字の上下に付け加わるセリフ(ひげ飾り)を取り除いた=サン、セリフなしのフォントは、直線的で読みやすいフォントの代表例です。文字から余計な装飾を排すれば、描きやすさと同時に、各文字の個性が失われていきます。説明書やマニュアルといった、合理的で的確な伝達が求められる媒体の増加が、サンセリフを要請したともいえます。
サンセリフの採用はたしかに、合理的であり読みやすくはなります。明快で迅速に伝える道具としての文字。一種の機能優先主義。ヤン・チショルドが提唱した「ニュー タイポグラフィ」(1928年)に至って、文字の完全な明快さ、経済性とも結びついていきます。しかし、文字の持つ個性や、「個人的なもの」は、どこかに置き忘れられていく。グラフィックデザイナー、杉浦康平氏の言葉を援用しながら、小野二郎氏は、フォントにおける合理性の追求が「文字を成立させていた、人間が書くということを通じて文字の中に浮き立たせようとしていた、人間の身体のリズム」を置き去りにしていくことに憂慮しています。いわば雑音のようなぶれ、合理性の枠組みに収まらない人間らしさ、現代の文字が失った活きている文字としての「活字」、その喪失を嘆いています。けれども、モリスの追い求めた「読み易さ」は単なる合理性だけのためのそれではなく、「何かをきちんと守ることでこの「雑音」の発生を、つまり偶然を必然ならしめる方法であったことがわかるだろう」と看破します。読みやすいと同時に、人間の精神を運ぶ船としての、伝達するフォント。モリスが求めた「理想の書物」は、文字というものがになってきた、精神のうつわとしての機能を具体化したものであったはずです。
翻って晶文社の書物群を眺めてみると、自在にうごめくかのような平野甲賀氏により装丁されたデザインに眼を奪われます。空間を取り込んでいくようなフォント。紙面の白を取り込んでいくその文字には、自由さを感じます。言い換えれば、文字の開放。グロテスクというよりもヒューモアに満ちた文字。それは、かって小野二郎氏が、ウィリアム・モリスから得た、活きた文字としての書物への、一つの回答であったようにも思えます。

参考 小野二郎『世界設計としてのタイポグラフィ」 小野二郎著作集 晶文社  文中「」内引用は、この著作からのものです。


# by seibi-seibi | 2019-05-15 14:07 | デザインするって? | Comments(0)

本日より、20(はたち)展 開催しています

10連休も終わり、令和に改元して、新しい時代のはじまりです
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本日よりギャラリーART ACTでは、20(はたち)展がはじまりました。
期間 5/7-5/14
時間 12時開廊-7時まで
土日も開廊します
東京造形大学、彫刻科3年に在籍中の4人による、彫刻の展示です。
ふだん、平面作品が多いので、彫刻の展示は珍しいのですが、今回は東京造形大学のみなさんに、日ごろ制作している作品を展示してもらいました。彫刻に興味のある方、また彫刻科に進学を考えている方は特に、ご高覧いただければ幸いです。

# by seibi-seibi | 2019-05-07 14:02 | Comments(0)

4月。はじめのデッサン。

4月ももうすぐ終了して、来週はゴールデンウィークに改元です。平成の最期の月、受験生たちはデッサンをしています。デッサンはすべての基礎となります。ものを把握する姿勢を身につけるのが、デッサンの最大の目的です。そのためデッサンは、必然的に思考の過程そのものとなります。自分が対象=モチーフをどのくらい把握しているのか、デッサンを描く過程で分かってきます。「描けない」という壁に突き当たったとしたらそれは、自分がそこまでしか把握できていないことを示しています。分からないものは描けないからです。
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把握するためには当然、理解しなくてはなりません。考えることは同時に、観察することであり、手を動かすことです。そういう全過程が、「デッサンで思考する」姿勢となってきます。何かを作りたい、いままだない、頭のなかにだけあるものをイメージして、それを形にしようとするとき、デッサンが必要になるのです。形のないものを具現化させる、描くことで、まだ存在しないそれを把握していく。デッサンはそういう、思考過程そのものです。
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受験でデッサンが科される背景には、そういうデッサンの思考を会得してもらいたいという願いがあります。うまく描くことよりも大切な、思考のツールとしてのデッサンを理解していて欲しい。その扉を開けるため、毎日デッサンしているのです。将来クリエイターとして活躍していくために、最も必要なことなのです。

# by seibi-seibi | 2019-04-26 14:03 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

どようび 小学生クラス

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土曜日の小学生クラスは、「色のまぜかた」の実習から新年度をはじめています。

青・赤・黄。みっつの色をまぜて、24色つくるれんしゅうです。

パレットの上でよく混ぜて、できあがった色を順番に丸く配置していきます

混ぜすぎてしまったり、ほかの色がまざってしまったら、またやりなおし。

でも、できた色はみんな、すんでいて、きれいでした。
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# by seibi-seibi | 2019-04-22 15:31 | 小学生造形教室 | Comments(0)

人物を描く

一学期も二週目に入りました
今回は、はじめての、人物モデルです。
油絵科では、自画像とともに主要なモチーフの一つとなっているのが、人体です。
人を描くことは、絵画表現の根幹に根ざしている行為といえます。
人と向き合い、自分と向き合う。
そして、対話する。
絵画を描くことが、伝え合うこと、結びつくこと、共感することを必然的に内包している創造行為であることを、人物を描くとき、深く感じるものです。「骨格」「プロポーション」など、人物デッサンや油絵で必要なスキルはあります。それを理解していくことも、当然大切ですが、息をしていまそこに生きていて、存在している「人間」と向き合うこと、そしてその存在を感じること。人物デッサンはそこから始まるのです。
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今回は、カナダからいらしていた、ジェフェリーさんがモデルを引き受けてくれました。トロントに暮らす彼にとっては、日本での奇妙な体験の一つとなるのかもしれません。一学期最初の人物モデルが外国人になったことで、生徒もまた新鮮な感覚で製作に臨めたかとおもいます。
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# by seibi-seibi | 2019-04-20 09:42 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

一学期 一週目

今年度の一学期もすでに一週が過ぎました。
新高3生たちも、受験コースの一週間があわただしく過ぎ、すこしはなれたかと思います。
夜の5-8時、月曜から金曜まで、連日実技をこなすのは、からだが慣れていないと、かなり疲れるはずです。
そして火曜、金曜は実技終了後に学科のじゅ牛もはじまりました。
土曜の午後も学科です。
一週間、殆ど連日セイビに通う生活に慣れていくことが、四月の課題のひとつでしょう。
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# by seibi-seibi | 2019-04-14 14:48 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

ライフマスクの製作

セイビにはいろいろな美大生たちも訪問してきます。
そして、なにかしら作ったり、考えたりしていきます。
大学での課題のアイデアを貰いに来たり、製作しに来たり。

今回は、自分の顔の型取りをしたいというお話。
まあ、よくもそんな勇気があるものだと・・・・・。
ライフマスクを取るには、顔全体を型取り材で覆う必要があり
固着するまで動けませんし、始めたら止められません。
その間は鼻に差し込んだストローのみで呼吸を確保して
耐えていなくてはならないし。

「まあそれでもやるんだ」ということで、やってみました。
この型から作った自分の顔を、どう活かすのかは、考えているのでしょう。


5年位前にも一度、彫刻家志望の受験生にやってみましたがそのときのきじはこちらに



# by seibi-seibi | 2019-04-10 16:25 | Comments(0)

都立総合芸術高校実技試験について

セイビでは、美大受験だけではなく、美術系高校受験も扱っています。
去年は、都立総合芸術高校に2名受験して2名とも合格しています。
一人は推薦試験で合格し、残る一人は一般入試で合格しました。
女子美術大学付属高校受験生もおりましたが、推薦で合格しました。
毎年2―4人程度が美術系高校受験に挑み、全員合格させています。
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最近の都立総合芸術高校の受験は、高倍率で推移しているせいもあって、難易度も上がってきています。一年間しっかりと実技の用意をしないと、合格は難しくなってきています。
都立総合芸術高校の実技試験は、推薦試験が卓上構成による鉛筆デッサンであるのに対して、一般受験の実技では着彩に変更されます。受験生は、鉛筆デッサンと着彩の両方ができるようにしなくてはなりません。おまけに推薦入試と一般入試の期間がひと月とずれずに実施されます。もし推薦入試で残念な結果だった場合、すぐに着彩を始めなくてはならず、これが大変です。「推薦入試で合格したい」と思ってきた受験生にとって、不合格を知った翌日から着彩に変えて対策をとるのは、かなり辛いものです。
そのうえ描写のレヴェルが美大入試と比較しても遜色のない程度には描けていなくてはなりません。
これを中3でこなすのは、かなり大変だといえます。
前回の受験生達はみんな、美大受験生と変わらないか、ともすればそれ以上に頑張りました。
セイビでは中学生たちも、美大入試の高3生たちとともに並んで描いています。
これは単に狭いからなのですが、笑 そのせいでかなり高度な描写まで理解していけるようです。
これから都立総合芸術高校等を受験しようとお考えの方がおりましたら、はやくからの学習を、強く、お薦めします。

参考までに、去年の合格者の作品をあげておきます。
試験直前の作品で、時間制限をしています。
卓上構成は2時間半程度で仕上がるところまで来ています。
実際の試験時間は3時間ですが、30分早く仕上げ、残りの30分で、密度をあげるように指導しています。
用紙サイズはB3画用紙。

試験のポイントと考えられることについて
都立総合芸術高校のデッサン

1 卓上に置いたモチーフを構図良く配置できるか。
  ふつう、「構成する」といいますが、まあ、配置することです。構図が小さくならず、全体が描けるように納まり、奥行きと空間がきちんと表現されているか。これができていないと、いくら描いても、見せ場もなくなってしまいます。また台の水平感が表現できているかもポイントでしょう

2 遠近法の理解が正確か。
 二点透視による遠近法を用いて、しぜんな遠近感が出ているか。同時に垂直水平が描けているか。あと比率等は適格か。このあたりは、かなり的確に表現して描かないとならず、垂直などは、中学生にとって気づきづらく、なんとなく歪んだ立体を描きがちです。数ミリ単位での補正ができると良いのですが。

3 質感と描写、陰は的確か
 質感の描写とは、そのものらしさなのでしょうが、ちゃんとみて描きこまないとうわべだけの描写となってしまいます。とにかく観察すること。些細な事柄についても描きこむこと。そして陰影。どちらかというと、影の描写のほうが、神経を使ってほしいくらい大切です。適当に影をえがけば、すべて台無しとなってしまいます。
 

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次に着彩。一般入試数週間まえです。時間は4時間半程度。実技の試験時間は5時間です。
透明水彩のみを使用しており、アクリルの混合技法は用いておりません。
そのぶん、失敗のできない、難易度の高い描法です。
画用紙のサイズは実際の試験と同一です。

試験でのポイントについて
都立総合芸術高校の着彩

1 デッサンで学んだことがきちんと理解されているか。
 色彩を用いたときに、デッサンのことを忘れてしまうと、万事休すとなります
デッサンのとき必要とされる展は漏らさず的確に描いた上での、色彩なのです

2 明度と彩度の問題と、混色を理解しているか
 色には固有の明度があって、立体表現の基本となるのは明度差です。明るい所と暗い所をどのくらいの差をつけて描くのか、乾燥すると彩度も明度も落ちてします水彩で、的確な明度で描き分けるのは、慣れなければできません。

3 色彩感覚があるか、感じられるか
 主観的な要素ではありますが、色についての感覚を持っているのか。また、色を用いるのを怖れず、好きか。
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大まかな試験のポイント等についてあげておきましたので、来年度受験をお考えの方は、参考にしてみてください。実技試験の詳細について、説明されているところが少ないようですので、中学生の指針となればと思います。ただ、ここで書いたことはあくまでセイビで考えていることであって、客観的な資料や情報は高校の先生方にお聞きになることをお勧めいたします。

# by seibi-seibi | 2019-04-08 15:19 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

2019年度 一学期開始します

4/8 月曜日より、一学期を開始いたします
時間は、12時-20時となります。
夜間部の開始時間は17時です

お問い合わせ等も、この時間にお願いできるとありがたいです
これから受験をお考えで、現役で入りたいという方は、ご連絡ください。

今年も受験生は全員新規となりますので、鉛筆の削り方から始めます
何事も初歩の、はじめの一歩が大切です。

一学期の目標は

1 ものを創り出すにあたって、何が一番大切なのか。心構え
2 基本となる事柄の理解。

この二点です。



# by seibi-seibi | 2019-04-08 09:24 | Comments(0)

春期講習も7日目です

春期講習もあしたまでとなりました。
あっという間のようですが、初めて取り組む新受験生や、中学生にとっては、長時間のセミナーに感じているはず。
よく見て描く。観察する。考える。こういうことの大切さをどれだけ理解できたのか。
それだけでも十分といえます。
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今年もいろいろな志望の生徒が集まりつつあります。
セイビでは、
油絵科 版画科 彫刻科 グラフィックデザイン科 プロダクトデザイン科 情報デザイン科 メディァ 映像 映画 等、殆どの科を網羅しています。それだけにみんな異なったカリキュラムを行っています。油絵の横でグラフィックだの、立体製作をしている人と、平面構成がならんでやっているといった具合。
石膏による型取りを行ったり、写真の現像・引き伸ばしやったり、アニメーションの製作をやったり。

美大生達もよく相談に来ます。
受験生が来ない時間には、ムサビやタマビの生徒が押しかけて、大学での課題を作っていたりします。
映画の撮影などの場合、機材を置いてロケに出発とか。
受験予備校であると同時に、研究所でもあるのです。
みんなが集まり、考え、試行錯誤して、育っていく。そういう場でもあります。
深夜に、企画展の内容について会議をしているものもいれば、作品の支持体つくりをしている美大生もうろうろしています。
セイビはそういう奇妙なところでもあります。

# by seibi-seibi | 2019-04-02 07:35 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

セイビは創立44年目です。

ときどき、「いつからやってますか?」という質問を受けます。
セイビは1975年からやっております。
英国でマーガレット・サッチャーが首相となり、ザ・ピーナッツが引退し、キャンデーズが「年下の男の子」を唄い、テレビでは「戦隊シリーズ」が放映開始。スピルバーグの「ジョーズ」が封切られた年。
もう半世紀近く前のことです。

当時は「受験戦争」のまっただなか。
中学も高校も、受験予備校化していました。
若者たちは偏差値で将来が決まってしまう、といっても過言ではなかった。
「良い進学」こそが、すべてのような風潮の中で、流され彷徨っているのが、当時の中高生でした。

そんななかで、セイビは開所しました。
当時は美術というと、「進学には無用の科目」であり、しばしば授業はつぶれてしまい、気がつけば、
英語教師が教壇に立っておりました。
「受験は大変で、つめこみばかりだ。置いてきぼりの落ちこぼれには将来はない」
当時の若者は、心の奥でそう考えていた、と思います。

セイビは、このときの心境を原点として、美大受験に挑んでいます。
当時真ん中より下にいて、劣等感と焦燥感に悩まされていた、その記憶。
受験を否定しようにも、それはありつづける。
だしとたら、なんとかみんなが納得して、希望を持って進学できるような仕組みに変えられないか。
「がんばったけれど、なんのためだったのか分からない。劣等感は残った」ということのないようにできないか。

進学のために受験するのですから、それは厳しい競争です。
競争はどこにもあって、それに背を向けていられないのです。
しかし、がんばれば、なんとかなる。そして、志望大学に入れる。

つまりそれは、「夢がかなう」ということ。

自分の努力が報われて、夢がかなう、同時に達成感がある。

これは人生において必要なことです。

そこで、「とにかく全員を、一年で、合格させよう」と考えたわけです。
長期間の美大受験生活は、スキルアップには有効なのですが、歪みもまた生みます。
全員合格。そのためには、一人ひとりと向き合わなくてはなりません。
全員同一カリキュラムでは、できないことなのです。
そして、もう少しなのにダメだと思っている生徒。
自分はそんなポテンシャルはないと、勝手に思い込んでる生徒。
そういう生徒に寄り添って考えていきます。
それは妥協ではなく、戦う術を身につけさせ、立ち向かわせる勇気に火をつけることです。

これは実際難しいのです。

それでも、セイビでは、最後にはみんな、元気に巣立っていきます。
「やればできた」
「ムリかと思ってたけれど、受かった」
「正直怖かったけれど克服した」
それは、自分で勝ち取った勝利だから、実感していえることなのでしょう。

ちっぽけで、昔のままの、「美術研究所」ですが。
少人数で、ゆっくりやっているところですが。

セイビは、美大受験に挑んでいます。
そして、なによりも、自信をなくしたり、意味不明の劣等感を持つことなく、大学へ、そして社会へと踏み出せる勇気を育てています。




# by seibi-seibi | 2019-03-30 10:46 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

3月30日 5時より 説明会を開催します

3月30日の土曜日、5時~、全体説明会行いますので、皆様お寄りください。

おもに受験科についての説明となりますが、基礎クラス 準備クラスに興味のある中一から高二くらいまでの方、あるいは保護者の方の御来所をお待ちしています。

美大受験について

1 最近の受験について。実技試験と学科試験について。AO入試について。

2 現役合格にはなにが必要か。

3 セイビのカリキュラムと受験についてのかんがえ方。姿勢について

主な内容はこのあたりになるのでしょうが、
美術・デザイン全般についての質問にも、お答え致します。
進路の問題や、美大の学科・コース等の特色について。

このようなことについても、質疑応答を行います

是非お立ち寄りください。



# by seibi-seibi | 2019-03-28 11:24 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

春期講習始まりました

今年も春期講習が始まりました。
例年通り、浪人生は出していないので、みんな新人か、新高3生です。
逆に言えば、ゼロから立ち上げる感じになります。

春期講習は、心構えの習得を目的としています。
6時間、集中して描き続けるだけでも、大変なことなのです。
描いて、観察して、どこかで限界が来ます。
そこからが、勝負です。
どう描けばいいのか、わからなくなる。
何をしたらいいのか、どう手をくわえるのか、わからなくなる。
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マニュアルは、ありません。
各自、モチーフと向かい合って考え、手を動かすしかないのです。
そうやって会得していかなかったら、自分のものにはなりません。
描くことは忍耐を要求します。
解らないから面白い。ということを理解していかなかったら、
なんのために、絵など描くのか。
発見していくこと。
その面白さを知らなくては、この分野に入る必要はないといえます。


# by seibi-seibi | 2019-03-27 06:39 | 芸大 美大受験 | Comments(0)

本日より、浅野拓也展 開催します

抽象表現で制作を続ける、浅野拓也の作品を展示いたします。
支持体から制作し、既成の絵画表現を超えていく試み。
日々のときの移ろいをつなぎとめるかのような筆致は、過ぎ去り、失われていく記憶をつなぎとめ、定着させる試みでもあります。普段は大きい作品を作る作家ですが、今回は小さめの作品を選定して展示いたします。
お近くにお寄りの場合は、是非、ご高覧ください。




# by seibi-seibi | 2019-03-25 10:12 | Comments(0)

明日から春期講習です!!

2019年度春期講習、明日から開催します。
前年度の受験生たちは、美大に進学決定して、いまは入学式を待っており、セイビは静かなものです。

明日からは全員、新しい受験生と共に、現役合格を目指してがんばります。

セイビは現役合格がアタリマエ。
あまりにもアタリマエになってしまっているので、合格者実績を書いておりません。
ただ、現役で合格するのは、そうたやすくはありません。
毎日努力して、ストレスとも戦い、自己に勝つ強靭な意志がなくてはできません。

つまりは一人ひとりの、「本気」にかかっています。

今年も頑張りましょう


# by seibi-seibi | 2019-03-25 08:55 | 芸大 美大受験 | Comments(0)