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グッドデザイン

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 今年もグッドデザイン賞の大賞が決定しました。
 大賞は、ダイソン株式会社の製作したエアマルチプライアー(扇風機)です。
 流体力学を応用し、吸い込んだ空気で円形の気流を作り出し、ここに発生する気圧の差を利用して気流を送り出します。画期的なのは、羽根がないこと。これにより、幼児が怪我する心配もなくなります。この安全性と、画期的な機能によるまったく新しいデザインの開発。それが、受賞理由になっています。新技術の開発が限られている今日において、新たな技術とデザインが同時に提示されるのは、珍しいといえます。
 グッドデザインの歴史は1957年から始まります。グッドデザインのサイト説明にもあるとおり、「豊かな生活と産業の発展」をめざして制定された賞です。最低限の生活を維持するのに大変であった50年前、生活の質の向上に資するデザインを奨励しバックアップすることで、社会を明るくしようとしたのです。当時は新技術による新製品の開発が盛んでした。ラジオ テレビ 冷蔵庫などなど、日常生活に流れ込んでくる新製品。それらをどのようにデザインしていくかは、火急の問題でもあったのです。思い思いに考え、試行錯誤できた当時のデザイナーは、自由な発想でさまざまな製品に形を与えていきました。そういったものが登場することで、人々の日常生活も変化し、整えられていきました。今回のエアマルチプライアーもそういった一例になるでしょう。器具のまわりにネットも必要ない扇風機。子供たちにも安全な器具の開発は、人の生活をもデザインしなおしていくのです。
 同サイトでは過去のグッドデザインもアーカイブ化されています。これを見ていると、それらを使っていた時代が生々しくよみがえってきます。プロダクト製品と日常生活が密接に絡み合っている時代に生きていることを、思い起こさせてくれるのです。
by seibi-seibi | 2010-12-06 16:57


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